２０２２年問題徹底解説[ETCが使えなくなるって本当？]

お知らせ
投稿日：2022年12月9日

料金所を通る際に自動でゲートが開き、キャッシュレスで止まることなく通行できるＥＴＣ。渋滞緩和にもつながり、高速道路を利用する人の９割以上が使用しています。そんな便利なＥＴＣですが、２０２２年問題・２０３０年問題が控えているのをご存じでしょうか？
今回の記事では、ＥＴＣの２０２２年問題・２０３０年問題の内容について解説します。

■ＥＴＣの２０２２年問題とは？
■どんなＥＴＣが使えなくなるの？
■２０３０年問題が控えている？
■２０３０年問題の後も使用できるかチェックする方法
■まとめ

■ＥＴＣの２０２２年問題とは？

　ＥＴＣの２０２２年問題とは、現在使用している【ＥＴＣ車載器の一部（２００７年より前に製造されたもの）が使用できなくなる】というものです。

　ＥＴＣは電波によって、料金所と車載器の間で無線通信し、情報をやりとりすることでキャッシュレス決済ができるシステムです。無線通信時には「スプリアス」という不要電波を発生させます。今回問題となるのはこのスプリアスの存在です。スプリアスが多く発生すると電波障害の原因となるため、発射強度の許容値が電波法にて定められています。

　ＥＴＣのスペリアスの発射強度の許容値についての無線通信規則は、必要のない電波を可能な限り減らして、電波を利用する環境の維持・向上、電波使用の推進のため改定されました。現行の許容値は、２００５年１２月に適用、２年間の経過措置期間後２００７年１２月に全面適用されました。ただし、混乱を避けるため、旧規格のＥＴＣ車載器についても猶予期間として２０２２年１１月３０日までの使用が認められていました。適用の開始から十年以上も経過していることから、２０２２年問題の影響を受け、法律上使用できなくなるＥＴＣ車載器はごく一部に限定されます。

■どんなＥＴＣが使えなくなるの？

使用できなくなるＥＴＣ車載器については、車載機本体記載内容・外観・説明書などに係れている車載器管理番号（19桁の番号）からは判断ができません。自動車や車載器のメーカーホームページより確認する必要があります。

主要メーカーのホームページはこちらです。

〇パナソニック　サイト：https://panasonic.jp/car/its/products/ETC/etcregist.html

対象機器
・C03002T (0321)
・C03002B（0354）
・CN-RX0600AK（0389）
（）内：車載器型式登録番号

〇矢崎エナジーシステム　サイト：https://www.suisuiyazaki.com/pdf/190308.pdf

対象機器
・ETC-YM2N　 0218
・ETC-YM5 0258
　※ＥＴＣ－ＹＭ２Ｎと同じ外装であるＥＴＣ－ＹＭ２・ＥＴＣ－ＹＭ３については適用機種のため、使用可能。

〇矢崎エナジーシステム　サイト：https://www.suisuiyazaki.com/pdf/190308.pdf

〇三菱電機　サイト：https://www.mitsubishielectric.co.jp/carele/etc/info/spurious.html
三菱電気が提供する全てのETC/ETC2.0車載器は新スプリアス規格に対応しているため、
新スプリアス規格への移行後も安心してご使用いただけます。

〇古野電気　サイト：https://www.furuno.com/jp/etc/spurious/
古野電気製、三菱重工業製（三菱自動車向け含む）のETC車載器はすべて新スプリアス規格に
対応しており、新スプリアス規格への移行後も安心してご使用いただけます。

〇クラリオン　サイト：https://www.clarion.com/jp/ja/info/important/20190423-1/index.html
これにより、旧スプリアス規格に基づいて製造された特定小電力無線機器は、2022年12月1日以降ご使用できなくなります。
当社および当社関連会社にて製造、販売された対象製品の品番、技術基準適合証明・工事設計認証番号は下記をご確認ください。
下記以外の製品については、2022年12月1日以降もご使用いただけます。

対象製品
ETC車載機
・ETC920 (EA-1188B-A)
工事設計認証番号：01CYBA1004

〇アルパイン　サイト：https://alpine.custhelp.com/app/answers/detail2/a_id/3459
アルパイン製のETC/DSRC/ETC2.0車載器は新規格に対応していますので、2022年12月1日以降もご使用いただけます。

〇ケンウッド　サイト：https://www.kenwood.com/jp/car/system/etc/security-spurious-comaprison/
旧スプリアス規格のものがないため、2022年12月1日以降も問題なく使用可能です。念のため、公式サイトでもご確認ください。

〇マツダ　サイト：ttps://www.mazda.co.jp/globalassets/assets/carlife/accessories/support/info_lib/now/common/pdf/setsuzoku/etc/etc_etc20_security.pdf

対象機器
・パナソニック製　C9N1V6380

〇スズキ　サイト：https://www.suzuki.co.jp/car/information/etc/
スズキ標準装備品、スズキ純正アクセサリーのETC/ETC2.0車載器は、過去の製品も含め、
新しいスプリアス規格に対応しており、電波法関連法令の改正以降も引き続きご使用いただけます。

〇本田技研工業　サイト：https://www.honda.co.jp/ACCESS/ETC/
ホンダ社製のETC車載器は過去の販売製品も含め、電波法上問題がないことが確認できているため、引き続き使用可能です。

〇日産　サイト：https://www.nissan.co.jp/RECALL/DATA/info_ETC.htm
ビルトインタイプとビルトイン以外のETC車載器において、下記の型式登録番号の車載器が2022年12月1日以降、使用不可となります。

カルソニックカンセイ製のETC車載器の下記登録番号の車載器が対象です。

■２０３０年問題が控えている？

　２０２２年問題では対象となる車載器は一部に限られましたが、２０３０年問題ではセキュリティ対策のため、使えなくなる機種が一気に増える可能性があります。

　国交省は改ざんなどによる不正防止や情報漏洩のリスクを減らすため、２０１７年１０月にＥＴＣに関する車載器・ＩＣカード・車載器などのセキュリティ規格を変更することを発表しました。これは最近のＩＴ機器の能力向上によるリスクに備えたセキュリティ強化を目的とし、２０３０年頃に変更することが決まっています。

　もし、現在のセキュリティで大きな問題が生じた場合には、２０３０年よりも早くに規格を変更する可能性もあるため、旧セキュリティの規格に対応したＥＴＣが使えなくなることもありえるといえます。

　これからＥＴＣの購入を検討しているのであれば、セキュリティ規格も確認して購入を考えることが必要となります

■２０３０年問題の後も使用できるかチェックする方法

①車載器管理番号の確認

　セキュリティ規格に対応したものかどうかの確認は、車載器管理番号でできます。セットアップ申込書、取扱説明書、保証書などに表示されている車載器管理番号を１９桁の数字を確認しましょう。左端の数字が「１」の場合：新セキュリティ規格　「０」に場合：旧セキュリティ規格　となります

②識別番号の確認

　万が一、書類を紛失した際には、本体にある識別番号でも確認することが可能です。車載器にもシールで車載器管理番号が記載されてため、旧・新どちらの規格なのか確認することができます。

　また、セキュリティ対応しているかどうか判定するマークもＥＴＣ機器にはあります。車載器の本体もしくはアンテナに「●●●」の場合：新セキュリティ規格　「ＥＴＣ２．０」の場合：旧セキュリティ規格　の対応となります。

③メーカーに確認

古い機種の場合、車載器管理番号を確認することができない場合もあります。その場合は、メーカーへ問い合わせをしてください。また、ＨＰなどで確認することも可能です。

■まとめ

今回はＥＴＣの２０２０年問題・２０３０年問題について解説しました。渋滞を防ぎスムーズに高速道路を利用できる便利なＥＴＣは多くの方が利用しています。現在、お使いのＥＴＣが２０２０年問題、２０３０年問題後にも使用できるものかどうか確認してみてください。「確認してみたけど今後も使えるものかわからない」「新しくＥＴＣを購入する予定だけどどれがよいかわからない」という方はお気軽に鷲見モーターへお問い合わせ下さい。