原因は半導体不足⁈　新車納期が遅れている？

お知らせ
投稿日：2021年8月23日

はじめに

昨年からニュースでよく取り上げられる新車の納期の延滞。それには半導体の不足が関係しています。半導体不足は様々な業界に影響を与えていますが、自動車生産業界にも多大な影響を与えています。

そもそも半導体とは何なのか、また、なぜ半導体が不足しているのか、車の購入を検討する際の注意点や今後の展開についてもお伝えしていきます。

この記事から得られる3つのポイント

半導体とは何かが分かる
半導体がなぜ不足しているのかが分かる
車を購入する際の注意点が分かる

・半導体とは？
・半導体が不足している原因
・新車購入を検討中の方が今からすべき2つの対策
まとめ

・半導体とは？

みなさんは半導体とは何かを知っていますか？

なかなか聞きなれない言葉なのではないでしょうか。まずは、半導体とは何かを説明していきます。

まず初めに、物質は、「導体」と呼ばれる電気を流す金属と、ゴムなどの電気を流さない「不導体」にわかれています。

その中間の性質を持つシリコンなどでできた物質や材料が「半導体」なのです。半導体は計算処理や情報記憶などの、情報処理機能を備えており、パソコンやスマートフォン、液晶テレビといったデジタル家電、電子機器に使われているため、デジタル社会の中で必要不可欠な存在となっています

・半導体が不足している原因

半導体の需要は、昨今急速高まっています。

多量のデータを記憶するためのサーバーやIoT( Internet of Thingsの略。

インターネットに関連する技術)によって、より多くの半導体が必要となっているからです。

また、デバイスや家電製品、電気機器の性能向上も挙げられます。例えば、車のETCやカーナビゲーション、安全装備なども半導体を必要とするものです。メーカーや車種によっては、スマートフォンのようにアプリで管理や機能拡張ができるシステムを装備しているものもあります。運転アシストシステム（ADAS）も今では普及価格帯の車種にも標準装備されるようになりました。これらにも全て半導体が使用されています。

車以外にも家電製品や医療機器など様々な電子機器に半導体は使用されており、精度向上に伴い使用される量が増え続けています。世界的な半導体市場が急速に拡大している一方で、半導体の供給が追い付いていないのが現状です。

また、世界的な新型コロナウイルスの感染流行も大きく影響しています。

新型コロナウイルスが最初に発生した中国では、自動車の生産を一時は減産しました。その流れが、世界中に広まり、半導体の需要が低くなることを見越して、需要の抑制に踏み切りました。しかし、コロナからの回復を宣言した中国は自動車の増産に踏み切ったのです。併せて、感染拡大防止のための政府の外出自粛要請を受け、先進国を中心としてテレワークや、リモートでの授業の推進による巣籠もり需要が高まりパソコンをはじめとする電化製品の需要が一気に高まりました。

つまり、半導体メーカーが供給を控えようとしていたところで、予想外に需要が高まってしまったのが昨今の状況です。

そこに追い打ちをかけたのが、相次いだ半導体生産工場の火災です。

自動車向けの半導体を生産していた国内の工場の被害は復旧には半年はかかるといわれています。

・新車購入を検討中の方が今からすべき2つの対策

日本自動車販売協会連合会（自販連）と全国軽自動車協会連合会（全軽自協）が発表したデータによると、2021年7月の新車の国内販売は377,448台で前月比8％減少。軽自動車は130,300台で17％減少となり、２カ月連続でマイナスでした。

通常は1ケ月強でできた納車が、今は納車までに2,3ケ月を要します。

また、車種によっては半年以上かかるものもあるといわれています。半導体不足の解消は今も見通しがたたない状態となっています。

そこで、新車購入を検討している方がするとよい対策をお伝えいたします。

　・早めの購入検討

現在、車の購入を検討されている方の中で、車検切れによる車の乗り換え、買い替えを検討されている方は特に注意しなければなりません。納車前に現在使用している車の車検が切れてしまうことのないよう、早くから新車購入を検討するようにしましょう。妥協で購入することのないように、希望の車種やカラーが決まっている方は早めの契約をお勧めします。

　・中古車購入への切り替え　

中古車購入のメリットはなんといっても、納車の速さにあります。車検の期限が迫っている方や、一日でも早く車の必要な方には中古車の購入がおすすめです。半導体不足の影響を受け、中古車の価格は上昇しています。こちらも、予算内で希望車種を見つけるためにも早くから中古車の購入の検討を始めておくことをお勧めします。